いじめっ子が親戚4

子の誕生日 編

 

結婚式の事件があってから数ヶ月のこと。

 

母から連絡があった。

 

「別に何も思わなくて良いけど、一応言っておくね。

いじめっ子、妊娠した」

 

まぁ、予感はしていた。

 

当たらない予感がこういう時だけ当たるって…

本当、世の中よくできてる

 

この予感が当たった時のことを考えて、私達は子供を作らなかった。

 

なぜか。

私が育った田舎は比べられるのが基本なところだった。

 

地域がそうなら親もその親も大体そうで、どこの子も基本的に比べられて育った。

 

大人になった今、私の兄弟も友達もみんな口を揃えて

「地元には戻りたくない。比べられるし」

と言うくらい。

 

だから私はいじめっ子の子供と自分の子が同じ歳になるのが嫌だった。

 

住んでる都道府県が違うから、同じ学校になると言うことはないけど

 

帰省した時や、話の話題になる時に比べられるのが分かるし

言われなくても態度で分かってしまうのも困る。

 

私は比べられて育ったから、自分の子育てはそうならないように努力するけど

気づかないうちにそうなってしまうのも困る。

 

第一に、自分の子供がそれで嫌な思いをするのだけは避けたい。

 

私も夫も子供を望んでいるけれど、話し合った結果

 

同年代だけは避けようと言う話になった。

 

 

きっと心の広い人なら、いくら嫌いな人間でも

その子供のことにまで否定的になることなんてないのだろう。

 

捻くれている私、ここでも色んなことを思ってしまった。

 

妊娠時期を逆算すると、祖父が亡くなった同時期ぐらいで

「祖父の生まれ代わりがもしこんな人の子供とか最悪」

「こんな人のところになんで子どもが来るの」

とか、これまた色々と思った。

 

子供に罪はないのは本当にそう。

でもいじめっ子と結婚した従兄弟のことも許すことができないくらいの私は

それすら罪に思う。

 

自分の両親には「産まれても言わないで」と伝えた。

性別も名前も知りたくないとも。

 

 

そのくらい私にはまだ受け入れることのできない

許すことのできない状態だった。

 

 

そしてそれから数ヶ月後、いじめっ子の子は産まれてしまった。

 

 

 

それも私たち夫婦の結婚記念日に。

 

そして、私の大切な妹の誕生日に。

 

 

 

もう。最悪が最悪を重ねて、悔し涙が溢れ出た。

 

唯一の理解者の夫がいて、幸せなはずなのにどん底

 

自分の余裕のなさと、心の狭さにも悲しくなる。

毎年、幸せな記念日が来る度に、辛くなるって考えるだけで無理。

結婚記念日変えたい。

 

きっと、私の前世は本当に死刑囚かなんかだったのだろう。